事務所概要

事務所名
宮田良一税理士事務所
所長名
宮田 良一
所在地
東京都港区東新橋
2-10-10
東新橋ビル410号
TEL03-6435-8453
営業時間9:30~18:00
(月曜日~金曜日)
お問い合わせ・ご相談
得意な事業分野
情報処理業、卸売業、小売業、ホテル業、飲食店業、旅行業、商社、人材派遣業、介護事業、運送業、金融業
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マイナンバーへの対応について 

はじめに

いよいよ、マイナンバーの通知カードの発送が始まりました。
いろいろと騒がれてはいますが、どう準備すれば良いのかよく分からないというのが正直な所ではないでしょうか?

聞けば、マイナンバーを漏らしたりすると罰則規定があるとかで、何となく不安に思っている人も多いと思います。
ここでは、中小規模の会社や個人事業者(以下「事業者」)を対象とし、事業者がマイナンバーを簡潔に理解し、税務に関してどのように運用すれば良いのかお話ししたいと思います。
できるだけ平易に説明するため、一般的なことに焦点を当てていますので、全てを網羅しているわけでは無いことに留意ください。

マイナンバーは個人に与えられる12桁の個人番号のことをいいますが、法人に与えられる13桁の法人番号があることは、もうご存じですよね。

はじめに

マイナンバーを使って何をするのだろう?

平成28年1月から、マイナンバーの運用が始まるわけですが、そもそも事業者は何をしなければならないのでしょう?

簡単に言えば、税務署や地方団体への申告などや社会保険に関する届出にマイナンバーを記載して提出するということなのです。
今まで個人名を記載していた箇所にマイナンバーを合わせて記載することになります。
又、法人名を記載していた箇所には法人番号を記載するということになります。もちろん若干の例外もありますが。 

記載する番号が自分のものであれば問題は無いのですが、多くの書類で他人の名前を記載しています。

給料を支払えば一定の条件の下に税務署や地方団体へ源泉徴収票(給与支払報告書)を提出することになります。
当然、従業員のマイナンバーを入手しなければなりません。 
従業員なら、すぐ側にいるので問題は無いのですが、そのほかに講演の講師料や税理士報酬についても、提出が必要になってきます。
事務所を賃借していれば、貸し主の番号も必要になります。

そこで、事業者は次の三つの事をしなくてはなりません。

個人番号の入手と確認
個人番号の利用
個人番号の管理と廃棄

個人番号の入手と確認

 1.対面による確認

個人番号の入手に当たっては、個人番号と身元の確認を同時に行う事になっています。
個人番号は地方団体から送られてくる「通知カード」に記載されています。
通知カードには、住所・氏名・生年月日・性別が記載されていますので、この通知カード(個人番号が記載された住民票も可)を見せてもらいながら、その人の身元確認ができる例えば免許証の氏名・住所・生年月日が一致しており、写真とその人物が同じであれば確認ができたということになります。

身元確認書類の条件ですが、写真付きであること。
氏名と住所、又は生年月日が記載されていることとされています。

この条件を満たせない場合での対応方法も定められていますが、通常は何かしらの写真付き身分証明書を持っているのではないでしょうか。
個人番号と身元の確認を一つのカードで行えるのが、個人番号カードです。
ただし、平成28年1月1日以後に申請により発行されるものですから、すぐには利用できません。

 2.離れたところにいる個人の確認

個人番号が漏れないようにすること(以下「安全管理措置」)のためには、この個人番号を取り扱う職員をできるだけ限定することが重要です。
本社とは別に事業所がある場合など、個人番号と身元の確認を誰にどのようにやらせるのかという問題が起きてきます。
社外の場合も同様で、個人番号を取り扱う職員と個人番号を提供する外部の人が対面するとは限りません。
その様な場合の主な対応策として国税庁が以下の二つの方法を例示しています。

https://www.nta.go.jp/mynumberinfo/pdf/kakunin.pdf

1. 個人番号の提供を依頼する書面を活用した本人確認

 事業者が継続して取引を行っている顧客から個人番号の提供を受ける場合に、 顧客に対して個人番号の提供を依頼する書面を送付し、顧客がその書面に通知カードや個人番号カードの裏面(通知カード等)の写しを貼付して返送する方法。

個人番号の提供を依頼する書面を活用した本人確認

2. メールにより個人番号の提供を受ける場合の本人確認

 事業者が講演会の講師に対して謝礼を支払い、法定調書の提出が必要となる場合に、講師がイメージデータ化した本人確認書類をメールにより送信することで、 事業者が個人番号の提供を受ける方法。

メールにより個人番号の提供を受ける場合の本人確認

【イラストは国税庁HPより引用】

上記の1.については住所と氏名が記載されている書面を送付して、その書面に通知カードのコピーを貼り付けて返送してもらえば、個人番号と身元が確認できたということなのでしょう。

2.については個人番号カード又は通知カードと写真付身分証明書を映像データとして送るので、同時に確認できることになります。
ただし、使用する回線のセキュリティ対策が十分でない場合は、安全管理措置の観点からお勧めできません。
他の方法についても例示されていますが、小規模事業者についてはあまり関係がないので省略致します。

 3.知覚による確認

マイナンバー制度が適用される以前から在籍する従業員で、入社の時に既に身分を確認している従業員については、マイナンバーの取扱担当者がその人が誰であるか確認しているので、あえて身元の確認書類を求めなくとも、個人番号だけを受け取ればいいという事です。
あくまでも既に身元が確認されていると言うことが前提条件だとは思いますが、小さな事業所であればこの方法が有効ですね。 
ただし、事業所で取り纏めたものを本社に送るような場合の問題点については、既に触れたところです。

 4.番号を入手する際の留意点

  1. 個人番号を求める場合には利用目的を明示しなければなりません。
    従業員に対しては、就業規則などで入社に当たっては社会保障と税を目的として個人番号を収集する旨を規定しておくと良いですね。 
    社外の人に対しては、税を目的として(通常は社外の人に社会保障目的で個人番号を求める事は無いですね)個人番号を求めることを明示して、提供を受ける必要があります。
    上記(2)1の番号提供依頼を行う書面にもきちんと記載しておくべきでしょう。
    これをやっていないと罰則規定に引っかかる可能性がありますので要注意です。

  2. 個人番号を何時までに入手しなければならないかと言えば、内閣府では平成27年10月5日以後に可能になるとしていますが、通常は平成28年分の法定調書を提出する平成29年1月31日までに完了すれば良いでしょう。
    ただし、役員に対する退職金を支給した場合の特別徴収票は支給後1ヶ月以内に地方団体に提出するので、もっと前に入手しなければいけない事になりますし、「退職所得の受給に関する届出書」の受領もある意味個人番号の入手となるでしょう。

個人番号の利用

 1.個人番号の利用とは

上記にてご案内したように、端的に言えば税務署や地方団体に提出する書類、マイナンバーを記載して提出すると言うことです。
マイナンバーの導入によって提出する書類の対象範囲が変わったと言うことはありませんので、今までどおりの処理をすれば良いと言うことです。

 2.運用上の留意点

  1. 当初は受給者交付用の源泉徴収票などにも、マイナンバーを記載することになっていましたが、平成27年10月2日に規則が変わって、記載不要となりました。源泉徴収票は所得証明として保育所や銀行に提出することも多く、これは当然のことでしょう。

  2. 「給与所得者の扶養控除等申告書」に関する注意事項です。多くの事業者は平成27年中に新様式の書類を従業員から集めることになりますが、運用開始前なのでこれはダメなのではないかという疑問もあります。
    この点については一応法令違反ではないと説明されていますので、記載してもらってもよいということになります。             なお、従業員の家族分のマイナンバーについては、本人確認をする必要がありません。

  3. マイナンバーは利用上の制限がありますから、例え本人の同意があったとしても法律で定められた事以外の利用は出来ません。 
    例えば、社員番号のとして利用することなどはできません。

個人番号の管理と廃棄

 1.管理の対象

マイナンバー(個人番号)は当然管理の対象となりますが、実際問題として個人番号だけを保管しているということは希で、当然個人番号・氏名・住所などを纏めて保管することになると思います。 
このひとまとめになったものを特定個人情報といいます。個人場号又は特定個人情報が目的外に利用されたり、不正に流用されたりすることの無いように安全管理措置を定めなければなりません。

 2.安全管理措置

内閣府外局の第三者機関である特定個人情報保護委員会が、安全管理措置の内容として次の事項を挙げています。

  • 基本方針の策定
  • 取扱規程等の策定
  • 組織的安全管理措置
  • 人的安全管理措置
  • 物理的安全管理措置
  • 技術的安全管理措置

基本方針としては、その中で関係法令やガイドラインなどの遵守や安全管理措置に関する事項、それに質問及び苦情処理の窓口等を挙げて策定するように求めていますし、特定個人情報等の具体的な取扱規程等を策定しなければいけない事になっています。
何だか小規模の事業者にとっては小難しそうに思えます。

 3.小規模の事業者ではどう対応すればよいか?

特定個人情報保護委員会が出している安全管理措置のガイドラインでは、細かな手順が例示されており、これを規定化するのは小規模な事業者にとって大きな負担になってしまいます。

そこで、ガイドラインでは中小規模事業者における対応方法も合わせて示されており、それでよければ何とか対応出来そうです。
しかし、脅かすわけではありませんが、罰則規定の存在を忘れてはいけません。
マイナンバー取扱担当者が不正に個人番号を漏らしたりすれば、その本人はもとより事業者も罰則を受ける事になってしまいます。
従って、文書化しないまでも明確に手順を定めておく必要があります。 

例えば、個人番号はどのような手順で受け取りますか? 
通知カードをコピーで保管する場合と写真で撮って映像で保管する場合では、保管方法も異なります。
税理士などに法定調書の処理を委託している場合は、どのような手段で通知するのかを決めなくてはなりません。 

巷にあふれているマイナンバー対応システムを導入すれば事は簡単にすむ様な話ではないと思います。
残念ながら、ここで一般的な方法をお示ししても、個々の事業者にとって最適な方法とは限らず、又その方法を採用したが為に無駄なコストが掛かると言うこともあります。

いろいろな場面を想定してどのように対応するのかを決める必要があります。

 4.廃棄

従業員が退職したり取引先を変更したりすると、入手したマイナンバーは廃棄する事になります。 

廃棄の方法はどうすれば良いでしょうか?
どのような形で保存しているかによって当然廃棄の方法も異なってきます。
紙で保存している場合には裁断・溶解などの処理を行う事になるでしょうし、ファイルで保存している場合にはそのファイルを削除するというような事になると思います。 

入手するときに比べ、廃棄するときはそのきっかけがつかめないときもあると思います。 
従業員ならば退職手続きの一環に含める必要があるでしょう。 
外部の人については、何時廃棄すべきときなのかという判断がやっかいな場面も出てくると思います。 
例えば、WEBデザインを個人の人に依頼していて、法定調書の提出が必要だったために個人番号を保管していたけれど、依頼が減ってしまって法定調書の提出が必要なくなれば削除しなければいけません。
保存している個人番号の棚卸しが必要になってくるでしょう。

まとめ

マイナンバーについて、セミナーもたくさん行われていますし、解説書もたくさん出ています。
その情報のなかからコストも考えて実状にあった対応策をとりましょう。 
そんなに難しく考える必要はありませんが、マイナンバー入手時の本人確認の方法とそのマイナンバーが漏れないような社内体制になっているかどうかは、予め確認しておくことが大切です。
とは言っても、小規模な事業者とっては時間もなくて、手順を纏める人もいないと言うこともあるでしょう。
そのような場合には遠慮無く当事務所へお問い合わせください。